株主優待という言葉を聞いたことのある方は結構多いのではないでしょうか。
この記事では、株主優待とは?というところから、実際に優待を手に入れるまでの方法について紹介します。
株主優待とは?
株主優待とは、上場企業の株式を一定数を「権利確定日」に保持していた場合に、企業が株主に対して行う還元のことです。
権利確定日とは?
権利確定日とは、銘柄によって決まっている日のことです。
例えば、株主優待として人気が高いANAホールディングス(全日空)(9202)は、3月末と9月末の年2回という感じに決まっています。(今後変わる可能性はあります)
株を持っていれば必ず優待が手に入るとは限らない
株主優待は、各企業によって基準が設けられています。
100株から優待を受けられる企業もあれば、300株など一定量保持していないと優待の権利がない企業もあります。
また、500株や1000株持っていれば優待のグレードが上がる、というのが多い傾向になります。
他にも、株を持っている期間が3年間というような、長期で保持している株主に優待のグレードを上げるといった企業もあります。
株主優待は全ての企業で行っているわけではない
注意点ですが、株主優待は全ての企業で実施されているものではありません。
特にここ数年で上場したようなベンチャー企業では、優待制度がない企業がほとんどです。
また、突然優待が新設されたり、優待の内容が変わる場合もございます。
例えば実際に私が優待を期待して購入した楽天(4755)という銘柄では、権利確定日が12月末なのですが、2019年12月3日に優待内容を変えるという旨のリリースがされました。楽天市場のクーポンから、楽天キャッシュで使えるお金に変わってしまいました・・・(個人的にはショックでした)
優待については注目している企業のホームページより、確認するのがいいでしょう。
企業が株主優待を行う理由
そもそも、全ての企業で行っているわけでもない株主優待を、なぜ企業はやっているのでしょうか?
企業が株主優待を行う理由としては、大きく3つあります。
1.長期的に株価が安定しやすい
3年や5年間、ずっと株を持っている株主に優待のインセンティブが大きいのは、長期的に株を持っていて欲しいと思っているからです。
優待のグレードを上げることにより、すぐに売却されることなく、一定の株主に株を持って置くことで、株の価値を保てるというメリットがあります。
2.株主の数を増やせる
株主優待狙いの個人投資家が一定数存在します。
そのような投資家に、優待があることで興味を持ってもらい、購入してもらうことで株主の数を増やすことができます。
3.企業の宣伝になる
優待の内容を実際に体験してもらうことで、さらにその商品や企業を好きになってもらう機会が発生します。
優待を通じて、ファンを獲得できるというメリットになります。
株主優待を手に入れるためには
株主優待を手に入れるためには、いくつかのステップがあります。
1.優待の有無と内容を確認する
株主優待を行っている企業の確認が必要です。
優待を実施していない企業の優待を受けることは、残念ながらできないからです。
2.株主優待の権利確定日を確認する
銘柄が決まれば、権利確定日を確認します。
3.権利確定日までに特定数の株式を購入する
確定日までに株を保持する必要があります。
ネット証券各社より、株式を購入しましょう。
ライブスター証券 などのネット証券がない場合は、株式投資をするにはほぼ必要なので、この機会に口座を開設することをオススメします。
4.権利確定日をまたぐ
購入したあとは、権利確定日をまたぐだけでOKです。
5.権利確定日を超えたら売ってもOK
「株主優待が届く前に、株を売ったら優待がもらえないのでは?」という不安が私自身実際にありました。
結論、権利確定日以降に売っても、優待は問題なく手に入れることができるのでご安心ください。
実際に筆者が体験した株主優待
筆者は色々な投資戦略を試しているのですが、実際に体験した株主優待についてレポートします。
宿泊の株主優待!サムティ(3244)
権利確定は、11月末でした。300株購入。
サムティ(3244)は、関西を中心に不動産の販売・賃貸・分譲マンションやホテルの管理・運営などをおこなっている会社です。
優待内容は、ビジネスホテルの宿泊券でした。大阪と東京のホテル、それぞれ1泊ずつが郵送で送られてきました。
購入金額に比べ、2泊分の宿泊ができるのはお得だと考えていましたが、実際に宿泊してみて、綺麗なホテルで満足でした。
シャンプーの優待!エム・エイチ・グループ(9439)
エム・エイチ・グループは、シャンプーやトリートメントを販売している企業です。
500株購入。
株主優待はカタログが送られてきて、商品を選択できるというものでした。シャンプーやトリートメント等、豊富な品揃えでした。
欲しい商品番号を郵送すると、後日商品が送られてきました。筆者はシャンプーを選択しました。シャンプーはたくさんあっても困らないです。非常に助かりますね。
9439エムエイチグループの優待が朝から来た! pic.twitter.com/VY4Hy7Ofhi
— カンガルー@株式日記stock (@dratini_stock) May 16, 2020
株主優待投資のデメリットはあるの?
以上、株主優待のやり方や特典について紹介してきました。
優待が手に入れられるというメリットは当然あるのですが、他の投資手法と同じように、株主優待投資にもデメリットが存在します。
株主優待の銘柄と期間が決まっている
先ほどお伝えしたように、全ての企業で株主優待を行っているわけではありません。
また、サムティ(3244)は11月末、ANAホールディングス(全日空)(9202)は3月末と9月末といったように、権利確定のタイミングが既に決まっています。
例えば、6月にサムティの優待がええやん!とわかっても、11月まで待たないといけません。好きな期間にもらえないのが、デメリットになります。
株主優待を加味した株価の変動になりやすい
株主優待が人気な企業ほど、株主優待狙いの投資家の割合が高いです。
そのため、株主優待の権利確定日の1ヶ月ぐらい前から、株主優待を受けようと買いが入り株価が上がるケースがあります。また逆に、権利確定日の翌日に一気に売るケースが多いです。
そのため、権利確定日の直前で買うと高い株価で買うことになり、優待をもらえるタイミングで売ると既に株価が下がり、投資としては損をする可能性がそれなりにあります。優待でもらえるメリット以上のデメリットとなる可能性もあるため、注意しておきたいです。
下記チャートが典型的な例です。東急不動産(3289)の2019年2月22日〜10月30日のチャートです。
東急不動産は3月末と9月末が権利確定日なのですが、3月の優待直後では、4月2日を境に株価が落ちています。9月の優待でも、同じく10月の頭より株価が一時的に落ちており、これも優待をもらった後の売却が一定数含まれています。
ちなみに、この優待銘柄での株価変動を狙った「優待狙い投資」もありまして、これはまた別の記事で紹介しようと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
株主優待は、うまく使いこなせば投資家にとっては非常にお得な特典になります。
是非とも、好みの優待を見つけて優待を手に入れてみてください。