株式投資には色々な宗派?が存在します。今回は、その中の1つの株主優待先回り投資について解説していきます。
株主優待先回り投資とは?
株主優待先回り投資とは、株主優待による株価の増減を利用して利益を出す投資法です。
株主優待を手に入れるための方法は、こちらの記事で紹介しています。【株主優待投資】株主優待を手に入れるには?デメリットについても解説
なお、この株主優待先回り投資というのは筆者が調べたところ一番妥当な用語と思い、使用していますが違う名称で呼んでいる投資家の方もいらっしゃいます。
株主優待の投資と違います
この先回り投資の特徴ですが、株主優待をもらわないという特徴があります。
これが、優待狙いの投資と大きく異なるポイントになります。
また、買うタイミングや売るタイミングも微妙に異なります。
手法 | 優待狙い投資 | 株主優待先回り投資 |
狙い | 株主優待 | 株による利益 |
買うタイミング | 権利確定日まで | 権利確定日の1~2ヶ月前 |
売るタイミング | 権利確定日後 | 権利確定日よりも前 |
株主優待先回り投資のキモ
さて、ここからは株主優待先回り投資のポイントについてになります。
銘柄については、優待が魅力的な銘柄が望ましい
ここは株主優待狙いと同様です。
先回りは、「優待狙いの人よりも」先回りという意味なので、そもそも優待狙いの投資家が集まらないような銘柄では、効果は薄いです。
そのため、優待そのものがよかったり、株価に対して優待のコスパがいい・利回りが高い銘柄を選ぶことをオススメします。
権利確定日の1ヶ月程度前に株式を購入する
買うタイミングは人によって諸説ありますが、私自身は1.5~2ヶ月前に購入するのが個人的にしっくりきました。
ちょうど1ヶ月前だと、「株主優待先回り」狙いの投資家が一定購入して株価が上がるので、さらにそれよりも先回りして買っていました。(先回りの先回りw)
逆に、3ヶ月前とかだと、世界情勢などの外部要因での株価下落といったリスクが高まるので、あまりオススメはしません。後ほどデメリットでも紹介しますが、優待先回り投資は外部要因に弱いのです。
それなりに高いタイミングで売ればOK。権利確定日前はマスト
売り時についてですが、絶対に権利確定日までに売らないといけません。
優待狙いの投資とミックスさせると、一番痛い目にあいます。
権利確定日ギリギリが一番株価が上がる場合もありますが、必ずではありませんのである程度利益が出ているタイミングで売っても問題ないかと思います。
うまくいけば、このようなチャートになることが期待できます。
10月末に株主優待の権利確定がある梅の花(7604)、2019年8~11月頭のチャートです。
株主優待狙いの買いが徐々に増え、綺麗に右肩上がりで株価が上がっていきます。
そして権利確定日の翌日(権利落ちと言います)に一気に株価が落ちていますw
この差額を利用して利益を出すのが、株主優待先回り投資です。
株主優待先回り投資のメリット
さて、先回り投資でのメリットを紹介します。
勝率が高く安定しやすい
1銘柄あたりの上昇率はそこまで高くないですが、勝率が安定していいです。
シンプルに株を買うと、下がるか上がるかの50%前後の勝率になります。
筆者自身が先回り投資を試したところ、11勝6敗で勝率なんと65%を叩き出しました。
実際に2019年に投資した銘柄を特別に公開します。
もっといい銘柄や売買タイミングもあると思いますが、経験上は+10%ぐらいの株価上昇が期待できます。逆に30%以上も上がった北の達人(2930)や3月のMRK(9980)は運がよかったのではないかという見解です。
3月のMRK(9980)で味をしめて、9月にもチャレンジしたのですが2回目は爆死でした。。。
売買のタイミングがある程度決まっており、手軽
売買のタイミングはルールに従うだけで、そのルールが期間だけなので手軽です。
株主優待先回り投資ではPERやPBRはほぼ関係しませんし、毎日のように株価や出来高を確認する必要はありません。あまり株式に時間をかけられない方でも、取り組みやすいのではないかと思います。
株主優待先回り投資のデメリット
優待が充実していない月がある
株主優待の権利確定月は、3月と9月が圧倒的に多いです。
逆に、1月・4月・7月・10月は30少しの銘柄しかなく、その時の株価によっては買うのが難しかったり、そもそも優待向きな銘柄が少ない場合があります。
他の経済要因の影響で勝てない場合がある
デメリットの大きな部分としては、マクロ経済に太刀打ちできない点です。
例えば、こちらは2020年2~3月の東急不動産ホールディングス(3289)のチャートです。
東急不動産ホールディングス(3289)は権利確定日が3月末なので、この優待先回り投資の方法だと2月~3月初旬にかけて買って3月末に売るのですが、大きく株価が下落しています。
そう、これはコロナウイルス(COVID-19)の影響を懸念して、株主優待狙いの投資家よりも圧倒的な数の個人投資家・機関投資家が売ったものと思われます。
株主優待先回り投資は、あくまで優待狙いの投資家を利用して利確するものなので、そこまでのパワーはないのです。それよりも大きな波が来ると流されてしまいます。
株主優待先回り投資を行う場合は、株式市場全体の市況はチェックしておいた方が良いかもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
株主優待先回り投資は、筆者としては一番最初に勝ちパターンを見つけられた方法です。
解説した通り高い勝率が魅力的なので、ぜひ一人でも多くの方がチャレンジしていただけると嬉しい限りです。