2021年3月17日に、転職プラットフォームの「ビズリーチ」を運営するビジョナル株式会社に上場承認が下りました。
IPO承認がされることにより、非公開だった情報が初めて出てくるのでそちらの分析を行い、IPO銘柄として、そしてセカンダリー銘柄として期待できるかどうかを見ていきたいと思います。
ところでAppleのキーボードだと「美女なる」に変換されるんだねw
ビジョナル株式会社の東証マザーズ上場概要について
まずは基本的な上場情報についてです。
上場日:2021/4/22(木)
発行済株式総数:35,590,400
公募株式数:2,127,000(6%)
売出株式数:11,248,700(31.6%)
公募売出流動性:36.6%
想定価格:4,355円
想定時価総額:1,549.6億円
オファリング規模:582.5億円
会社予想2021年7月期売上:267億円
同売上成長率:3.2%
主幹事:野村証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
抽選申込期間:4月6日(火)~4月9日(金)
当選発表日:4月12日(月)
購入申込期間:4月13日(火)~4月16日(金)
売出株式の割合は36%と大きくもない印象ですが、バリュエーションが1,500億超えというサイズ感が一番の特徴ではないでしょうか。
そのためオファリングが500億超えと大規模なIPOになります。
コードは4194みたいだよ
ビジョナル株式会社の企業情報について
続いて、ビジョナルの企業情報についてです。
代表:代表取締役社長 南 壮一郎
本社所在地:東京都渋谷区渋谷二丁目15番1号
「ビズリーチ」で創業した後に、親会社となるビジョナルが2020年2月にグループ経営体制となりました。
ビジョナルとしてHR領域以外にもDX(トランスフォーメーション)を進めていくという経営方針のようです。
DXは今トレンドのワードですね。
ビジョナル株式会社の業績(売上・利益)について
ビジョナルはこの経営体制になったのが2020年2月ということもあり、2020年7月期が第1期となっております。
2020年7月期で売上は258億、経常利益が22億とのことです。
HRサービスがPLの中心ということもあり、黒字化を既にしております。ビズリーチの過去の数字を見ると、2018年7月期に黒字下されていました。
また売上規模はこの時価総額規模に相応しい、高い数字です。
転職プラットフォームの「ビズリーチ」はテレビCMやタクシー広告で結構広告を展開していることで、知っている方も多いのではないでしょうか。
ヘッドハンター・採用企業および転職希望者の双方からマネタイズするビジネスモデルとなっており、なかなかにマネタイズ設計が上手いサービスだなと思います。
あちらこちらでビズリーチは企業からしたら高い、という噂を聞くなぁ
筆者も転職者としてビズリーチを登録して使っていたことがありますが、質のいい求人が多い印象で、プラットフォームとしてはしっかりしていました。
また直近はHR管理SaaSの「HRMOS」(ハーモス)も展開しており、綺麗にSaaSのKPIが開示されていました。
チャーンレート(月次解約率)が1%前後とSaaSの中でも優秀な部類と言えます。
ARPU(月額平均単価)は11万円ほどです。
そして、コロナの影響で採用を絞った企業も少なくないかと想定されますが、一時的に解約率が上がったものの、利用企業数およびARPUは1年間で上がっているのはポジティブな指標だと言えます。
これまたHR担当の知り合いの人が言っていましたが、HRMOSも高いという意見を聞いたことがあります。
企業の採用ページに飛んだ時にHRMOSを使っているか、それともtalentioのような競合のツールを使っているのかどうかがドメインやテンプレートで正直わかるのですが、そこそこ使われている印象ですね
もしHRMOSでの採用ページを使っていると、ドメインがhrmos.coになるんだよね
またビジョナルのグループ全体では1,186人の従業員とのことです。
筆者が新卒就活をしていた時は、まだビズリーチ時代でしたが新卒採用ガンガンやっていて優秀な人集めていた印象があります。今はどうなんでしょうか。
カンガルー君はビズリーチにエントリーしたの?
はい、インターンシップにエントリーしましたが、優秀なカンガルーではないので即座に落とされましたw
ビジョナルのIPO条件や今後の期待について
ここからは実際にIPOの公募やセカンダリーで買いにいく投資家向けに特化した内容です。
ビジョナルの事業を振り返ると、あまりバリュエーションのつきにくいHR領域ながらも、ビズリーチのサービスのビジネスモデルの性質、そしてコロナの環境で転職エージェント業界の企業が軒並み業績を落としている状態の中、前年同期比でプラスの成長なのは非常に競争力があると捉えていいでしょう。
先述の通り、ビズリーチはオファリング規模が多いことから供給が多いです。
VCは公募売り出しかロックアップ180日or360日という条件なので、IPO後はすぐにロックアップ解除されることはありません。
この大きなオファリングサイズのうち、どれだけ機関投資家が興味を持って買ってくるかが注目です。
先述した、競争力および時価総額規模からしても機関投資家側も買いたい銘柄なのではないでしょうか。
公募想定価格は4,355円です。
筆者の独断と偏見の予想では、初値1.5倍程度の初値6,500円と予想します。
そしてセカンダリーですが、DX領域とはいえHRの依存が現在は大きいため、景気の具合は少なからず影響されるかと思います。
時価総額が大きいのでボラティリティは他の小型IPO株に比べて控えめで、プレイドのチャートのような値動きになるのではないでしょうか。
そのため、スイングトレードはチャンスであるように思えます。
中長期的には、それぞれの領域の成長が期待されます。
それこそ、広告代理事業から始まりメディア事業・ゲーム事業そしてABEMA TVと事業の柱と呼べるレベルの軸を増やしたサイバーエージェントのようになれるかに注目しております。
サイバーエージェントも今や時価総額8000~1兆円規模です。現在のところ、ビズリーチもそのようになれるポテンシャルを持つ、数少ない企業の1つなのかなと思いました。
今後も注目だね
株式についての情報はSTREAMが無料で見やすいので、ビズリーチの今後の情報を把握したい方はチェックすることをおすすめします。