今、筆者はグロース株と言われている投資手法を行っております。
グロース株とはハイリスク・ハイリターンを狙うもので、リスクが高い分注意する点もありますが株価の変動が面白く、そして利益が出た時の快感があります。
今回は、そんなグロース株について説明していきます。
グロース株の基本思想
まず、この2つがグロース株の基本思想と言えます。
・PERが高い(割高)
・売上・利益・利益率それぞれで成長している(成長性)
それぞれ見ていきましょう。
PERが高い
PERとは、時価総額に対する利益額の指標であり、これが高いと1株あたりの利益が少ない(=効率が悪い)ということを意味します。
一般的にはPERは低い方が投資家(特にバリュー投資家)としては嬉しいのですが、グロース株ではPERはむしろ高い株を見るようになります。厳密にはPERはほとんど見ず、結果としてPERが高いものになります。
売上・利益・利益率それぞれで成長している
グロース株では、企業の成長性というのがポイントです。
成長性という部分から、ベンチャー企業のような比較的浅い企業であったり、医療分野のような市場自体が成長している業界にドメインを張っている企業が該当としては多くなります。
もちろん、市場が狭くても独自の戦略でシェアを取り、成長をしている企業もあります。
売上・利益・利益率と言いましたが、日本株でいうところのマザーズ上場のベンチャー企業の場合、赤字で上場することも珍しくなく、投資(広告費や人件費など)環境によって利益が変動しやすいため、利益よりかは売上成長性の方が適切に見ることができます。
売上成長率は、前年比+30%あれば成長していると言えるでしょう。実際にスクリーニングする時は+20%でもまぁいいかなと思ってやっていますが、、
米国株の場合、+40%成長の企業もゴロゴロいるので、+40%あって成長企業と言えるでしょう。
バリュー株・バリュー投資とグロース株の違い
グロース株の思想について紹介しましたが、バフェットに代表されるバリュー株との違いはあるのでしょうか?
回答としてはバ、リュー株とグロース株は90度違うイメージです。
バリュー株についての記事はこちら:バリュー株・バリュー投資とは?メリットとデメリットについて解説
ファンダメンタル重視か、需給重視か
バリュー株は、自分で計算した結果時価総額が1000億円ある企業に対し、750億の時価総額であれば買うという方法です。
対してグロース株は、少し極端な話ですが、時価総額が1000億円のはずだけど今1300億円の価値がついている=株式の価値が人気だ=もっと人気になって1500億円になりそうなので今買おう、という手法です。
株式の価値は、需要と供給量によっても決定されます。
筆者は玉ねぎが好きなのですが、豊作の年は30円で買うことができるが、不作の年は60円でしか買うことができないのです。これは供給側の理論になります。
時間軸が短期か長期か
バリュー株は、デメリットでもあるのですが今750億円の企業が、いつ1000億円に戻るのかのタイミングが読めません。結果的に短期売買となる可能性もありますが、中長期のケースが多いです。
一方で、グロース株は一気に上がっていきます。その後、上昇した株価をキープするか、一気に落ちる可能性もあります。もちろん、ずっと成長し続けていくと、株価がより伸びていくこともあります。
ただ一番美味しい、旨味のあるタイミングは一気に上がっていくところになり、それを狙うには短期~中期のスパンでの取引になります。
グロース投資の教本を紹介!
筆者は下記の本でグロース投資を知り、試しにやってみたらビギナーズラックもあり成果が出ました。
この本での取り決めを比較的遵守するようにしています。
成長フェーズの、落ち着いている時期での購入
PERが高い
成長率がある、売上・利益・利益率
市場平均よりも高い上昇率
52週安値よりも30%以上高い
52週高値から25%以内
またこの本はグロース株に限らない「損切りの思想」も非常に使えるので、株式初心者にはオススメです。
この本を読んで、筆者はナンピンしなくなりましたw
グロース投資のメリット
少し話が逸れましたが、グロース投資のメリットはどんなメリットがあるのでしょうか。
比較的短期間でハイリターンが狙える
逆に言えば、短期間でハイリターンが目的で、その可能性がある銘柄を選択するようなものです。短期間とは、数週間〜数ヶ月です。
例えば、こちらは弁護士ドットコム(6027)の半年のチャートです。
弁護士ドットコムはグロース株と断的できるほど成長率は圧倒的ではありません。
明らかにバリュエーションは割高なのですが、5月の間だけでも株価が2000円も上がっています。100株買うだけで、20万円利益が取れます。
もしコロナでの暴落時に買っていれば、3ヶ月せずに2倍以上になっています。
(グロース株を、暴落時に買うというのはあまりない気がしますが)
リターンの額もさることながら、期間の短さが非常に大事です。
1年で10%上昇と1ヶ月で10%は全然違う
例えば元手が10万円として、1年で10%伸びる銘柄を買えば、1年後は手数料をざっくり無視すると、11万円になります。
ただ、1ヶ月で10%伸びた場合、またそれを翌月以降も12回行った場合、1年後には31万円になっているのです。
これが意味するところは、時間の価値はかなり大きいということです。
極論、1年で200%伸びる銘柄1社を持つよりも、1ヶ月10%伸びる銘柄を次々と売買していく方が(取引手数料ももちろんかかりますが)リターンが出るのです。
先ほどの弁護士ドットコムのような、1ヶ月に20%や30%の利益をコンスタントにできるかは分かりませんが、10%程度であれば十分現実的だと言えます。
中には、BASE(4477)のように1ヶ月で2.2倍になるようなものもありますw
これは途中で決算発表も入ってきており、複合要因が絡み合っているため再現性は薄いですが、とはいえグロース株の株価上昇スピードには夢があります。
グロース投資のデメリット
リスクも高い
割高なものを承知の上で買うので、それが割高で不人気な銘柄になった場合、一気に売られていきます。
株価が上昇するスピードが早い分、落ちるスピードも早いです・・・
こちらはZOZO(3092)の5年間のチャートです。
2017~2018年頃、ちょうどZOZOスーツやブランド展開の時に、期待から株価が上がりました。しかし普及せずに撤退することになり、一気に売られています。
売るタイミングが難しい
意外と大きいデメリットなのですが、グロース株では伸びた後にいつ利確するのかが難しいです。
これは、「この時価総額になれば適正だから売ろう」という、売る価格が決まっているバリュー投資とは対照的です。
なぜかというと、グロース株はファンダメンタル的な要素と、需給の関係での株価上昇を狙ったものであり、ファンダメンタルはどうにかなるにしろ、需給については業績が好調でも売られる場合があるからです。
特に機関投資家は、一定期間で成果を出すために利確をするので売らなければいけない事情があります。そして機関投資家は大量に売買するので、上がる時も影響は大きいですが下がる時も影響は大きいのです。
なので、いつ機関投資家や上場前から株を保持しているVCが売ってくるか?は重要であり、グロース株を扱う投資家にとっては気にかけているところです。
20~25%など一定の成果が出れば、売るというのが現実的かなと思います。
ただ筆者はそれゆえに早く売りすぎて後悔している銘柄もたくさんあります。。。(先述のBASEなど)
おわりに
そんなデメリットもあるグロース株ですが、とは言えリターンの大きさに惹かれて、日々格闘しております。
そこまで資本のない投資家は、グロース株で元手を増やすのが最良の選択ではないかと思っています。
是非とも、グロース株を始める人が1人でも増えればいいなと思います。