一般的に投資家が売買できるのは、上場企業の株のみになります。
上場企業は、みなさんが知っている有名企業でもそうでない企業も、必ず上場承認をされて上場を果たし、今こうやって株を売買できるのです。
今回は、その上場承認がおりてこれから上場をする!という銘柄の株を買うというIPO投資について紹介します。
IPO投資の流れ
IPOとは
そもそも、なぜ企業は上場をするのでしょうか?
いくつか理由がありますが、
・株を放出する代わりに資金を調達する
・知名度や認知度、ブランドの向上
が主な理由です。
そして、その多くは前者の理由です。さらなる成長を企業はするために、資金を投資家から集めるのです。
IPO投資とは
IPO投資とは、その資金調達のために、株を放出する最初の部分に対して、お金を払う代わりに株式を手に入れます。
それは、公募という形で募集をします。上場が決まると、上場日の少し前に公募をして、初期の投資家を集めます。
その上場初期の投資家になる=株を購入することを、IPO投資と呼びます。
IPO投資のためにはブックビルディングに参加する
IPO投資においても、通常の株の投資と同じく、証券会社経由で行います。
そのため、証券口座を登録していない方はこの機会に登録しましょう。
証券はどれでもオススメです、と言いたいところですが、このIPO投資に限って言えば、ブックビルディングに参加しやすい証券会社としにくい証券会社があるのです。
IPOは、主幹事となる証券会社を上場する企業が事前に決め、上場の手続きを行います。
その主幹事が、だいたい公開株式の半分は取り扱えるので、主幹事になっている証券がIPO可能性が一気に高まります。
2019年の主幹事ランキングは、下記になります。
証券会社 | 主幹事の銘柄数 |
大和証券 | 25社 |
SMBC日興証券 | 22社 |
野村証券 | 17社 |
みずほ証券 | 14社 |
SBI証券 | 7社 |
2020年も大きく顔ぶれが変わる可能性は極めて低いため、これらの証券に登録することがIPO投資を行う近道です。
さて、ブックビルディングについてですが、ブックビルディングとはいくらでどれぐらい買いたいか?を登録している証券に申告します。
筆者自身も何度か行ったことがありますが、その申告についても期間が決まっています。
IPO株の購入は抽選に当たればラッキー
ブックビルディングの状況により、買い手が売り出し総量よりも多ければ、抽選で買える人が決められます。正直、なかなか当たりませんw
ブックビルディングの人気度は、ファンダメンタルと想定価格でのバリュエーション評価の他に、IPOする企業のポテンシャルや話題性にも引っ張られていると言えます。
日本のユニコーン・メルカリが上場した際は50倍だったようです。
当たれば期日以内に購入
抽選に当たった場合は、あくまで購入する権利が当たっただけなので忘れずに購入しましょう。これでIPO株が手に入りました。
IPO投資のメリット
さて、ここでIPO投資の魅力についてです。
複雑な駆け引きがないので、レベルの差が出ない
特に初心者・中級者にはメリットとなりますが、公募価格というのは予め決められているので、いくらになったら買うという判断軸がなくなります。
そのため、IPO投資はよりシンプルなゲームだと言えます。
運よく購入できれば、その条件は横並びです。
初値の段階で高い勝率をあげられる
2019年のIPOの場合、上場が86社ありました。
公募価格と初値の比較でいうと、初値の価格から見て76勝9敗1分で勝率88%でした。
つまり、IPO投資で公募で買うと、88%の確率で初日の段階で利確できます。
こんな高い勝率が出る投資法は、おそらくないと思います。
IPO投資は外れのない宝くじと言われますが、厳密には1割外れますが、当たる確率が非常に高いという事実は変わりません。
そのため、IPOがある場合はチャレンジしない手はないのです。
IPO投資のデメリット
IPO投資にデメリットはほぼないのですが、敢えて言うならと言う観点で挙げてみました。
運の要素が強い
個別の普通に売買する株式であれば、値段を出せば買うことができます。
IPO投資の場合、買える数と買いたい数が釣り合わないため、どうしても抽選に依存してしまいます。
また、IPOが何件発生するのかも、外部要因が大きいので、もしかしたらしばらくIPOが発生しないかもしれません。また、IPOしても自分の証券会社が主幹事にならない可能性も考えられます。
総じて、宝くじという名前に相応しく運の要素が強いと言えます。
スケジュールが決められている
ブックビルディング期間から、IPOの初日まで予めスケジュールが決められています。
そのため、ニュースや証券口座にこまめにチェックして、見逃さないようにしましょう。
おわりに
驚異の勝率を誇る、IPO投資。
あまりこの記事ではフォーカスしていませんが、勝った場合の利益の額も大きく、初値が公募価格の1.5~2倍になるケースもちらほらあります。
IPO投資にはチャレンジしないデメリットはありませんので、是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。