株式投資には色々な宗派?が存在します。今回は、その中の1つのバリュー株・バリュー投資と呼ばれるものについて解説します。
バリュー株・バリュー投資とは?
バリュー投資というのが投資手法の1つで、ざっくり言えば「お買い得な企業の株を買って普通の値段以上で売る」という方法です。
バリュー株とは、バリュー投資に該当する銘柄のことを指します。
バリュー投資は、その方法から別名で割安株投資と呼ばれることもあります。
割安とはどういうこと?
上場企業の価値=時価総額は、株価によって変動していきます。
例えば本当は1000億円の企業としても、一時的な株の需給によって1500億円になったり500億円になったりするのです。
逆に、適切な価値であるタイミングは一瞬です。
そのため、ほとんどのケースにおいて「割安」か「割高」になるのです。
下記は東海旅客鉄道(9022)のチャートですが、急成長企業でない場合はこのように不定期に上がったり下がったりを繰り返すような動きをすることが多いです。
ここの安い部分で買って、上がってきたところで売るというのが、基本手法になります。
有名なバフェット氏はバリュー投資をしている
売買されると報道される投資家ウォーレン・バフェットは、バリュー投資で結果を出し、世界一のバリュー投資家と言われています。
バリュー投資は超一流の投資家も扱う、正統法と言えるでしょう。
バリュー株のスクリーニングについて
じゃあ安くなった株であればバリュー株になるのか!と思ってしまいがちですが、落とし穴があります。
安くなった株が、振り子のように戻ってくる場合もあれば、もう二度も戻ってこず、安くなった挙句会社自体がなくなるようなこともあります。
そもそも、一般的に何を「割安」と呼ぶのでしょうか?
バリュー投資のスクリーニング項目
一般的には下記項目等が定量的な観点として考慮されます。
・1株当たり利益(EPS):利益が伴っているのかを確認する
・株主資本利益率(ROE)が高い:効率よく利益を出しているか確認する
・株価純資産倍率(PBR):資産に対し株式が割安か確認する
他に定性的な項目としては、市場占有率やブランドと言ったものが挙げられます。
要するに、これらは
・ちゃんと本当に価値のある会社か?(価値=利益)
・企業価値に対し安いか?(価値があることがわかっても、高ければ意味がない)
を確認しています。
もちろん、スクリーニングにかけてみて、その後買うかどうかは別途判断する形になります。
バリュー株・バリュー投資のメリット
バフェットも行うバリュー株・バリュー投資。
そのメリットは何でしょうか?
銘柄を見誤らなければ勝率が高い
一番のメリットは、利益が計算できることです。
例えば、PERやPBRが割安で、時価総額1000億円が適切な企業が、今は750億だった場合、割安なので買う選択をします。
その場合、その企業は本来時価総額1000億が適切なので、その差分の250億×持ち株比率が、1000億になったタイミングに利確した際の利益額、になります。
別の言い方で言い換えますと、買った時よりも株価が133%上がったタイミングが売時です。つまり、33%の利益が期待できると織り込んでいるのです。
また、スクリーニングにかけた利益が出ていて売上を維持している会社であれば、理論上適切な時価総額に戻ってくるはずなので、中長期で利益が出る可能性が非常に高いです。
スクリーニングさえ適切であれば、高値掴みをして大きく負けることはまずありません。
バリュー株・バリュー投資のデメリット
バリュー投資にもデメリットが実はあります。
それは、いつ株価が狙い通り上がる(戻る)のかがわからないということです。
1ヶ月後かもしれないですし、1年後かもしれないですし、5年後かもしれません。
バリュー株・バリュー投資は中長期での投資になる
そのため、バリュー株・バリュー投資というのは中長期の期間での時間軸で見るものになります。
利回りという観点で見ると、時間がかかる分悪いとも言えます。
1年後に30%が期待できる可能性はありますが、グロース株・グロース投資の場合、タイミングがよければ2週間~1ヶ月程度で30%上がる銘柄もあります。
そのため、投資手法のメリット・デメリットを抑えて、自分の投資条件と長期目標をきちんと照らし合わせた投資方法にすることを推奨します。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
バリュー株・バリュー投資は、割安な銘柄を見つけて適性な価格で売る手法です。
その性質上、スクリーニングを見誤らなければ大損することはありませんが、目標とする株価まで回復する時間軸も読めません。
コツコツ一見すると地味な手法ですが、ローリスク故に好んでいる投資家も多いです。バフェットのおかげか、ネット界隈ではバリュー投資家がメジャーな印象です。
是非とも、スクリーニングをしてみましょう。